箒(ほうき)のゴミ取り

今日の放課後、後期環境委員会の初仕事となる、本校恒例の「箒のゴミ取り」がありました。そうじに使っているT字箒は使っているうちに、毛先の中にゴミやほこりが付着します。そこで、環境委員会では定期的に各学級のT字箒のゴミやほこりをブラッシングで、掻き出します。校長室前のロビーに全クラスの環境委員がT字箒を持ち寄り、新聞紙の上で熱心にゴミ取りを行ってくれました。様子を見ると新聞紙には、かたまりとなった綿ぼこりやごみくずが集められており、その分、T字箒が新品と見違えるようにきれいな状態になっていました。毎回ながら、生徒たちが一生懸命箒をきれいにしてくれるので、T字箒も心なしか喜んでいるように感じられます。普段から使っているものを大事にするこの取り組みは、物があふれている今の時代の子どもたちにとって、教育的価値の高い、大変意義のある体験であると考えています。この素晴らしい伝統をいつまでも守り続けてほしいと願っています。

 

人権講話

本校での人権週間最終日の今日の午後、人権学習のまとめとして、1年生と3年生はそれぞれ外部から講師を招いて人権講話を行いました。

1年生は、NPO法人「CILだんない」から代表の美濃部さんとスタッフの方、そして町内の人権擁護委員4名に来ていただき、前半は人権に関する講話、後半はボッチャ体験を行いました。人権講話では、障がいに対する考え方についてお話いただきました。障がい観には二つの捉え方があり、一つは機能的な障がい、もう一つは社会的な障がいです。「機能的な障がい」は、本人の能力(機能)に目を向けるもので、障がい者自身の問題、「社会的な障がい」とは社会の環境に目を向けるもので、社会の問題という捉え方です。例えば、足が不自由で車いすの人は階段など段差があるところに上ることはできません。これは、本人の能力面から「歩けないこと」が障がいとなります。しかしながら、そこにスロープがあれば段差があっても上ることができます。すなわち、そこにスロープがないのは社会の環境に障がい(バリア)があるというわけで、それを社会の問題として改善していくという考え方です。いわゆる、「バリアフリー」です。「合理的配慮」という言葉がありますが、「人が同じ目的を達成するために必要な環境調整」を意味し、障がいをもった人も健常な人も安心して生活できる社会の実現を図っていくことが大切だということを教えていただきました。後半のボッチャ体験では、学級ごとに分かれて行いました。初めて体験した生徒がほとんどでしたが、皆楽しそうに取り組んでいました。

3年生は、木之本集会所から久保田先生に来ていただき、スクリーンを使って、人権について興味深いお話をしていただきました。ワールドカップ開催中に話題となった、「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大事)」のポーズを取って差別反対の意思を示すサッカー選手の画像や今大会登場した女性初の審判員などの話、女性が育児をすべきという価値観を感じさせるとの批判から炎上した味の素のコマーシャルなどを見ながら、身近なところでの人権問題について考えました。また、「権利の熱気球」の話から、人それぞれの価値観は異なることに気づいたり、「あってよい違いと悪い違い」についての具体例をもとに考えたりました。社会には様々な考え方、価値観の人が存在しており、自分の価値基準のものさしを豊かにしていくことの大切さを学ぶことができました。

本日、お忙しい中来校いただき、大変ためになる人権講話をしていただいた、CILだんないの美濃部さんをはじめスタッフの皆さん、人権擁護委員の皆さん、そして木之本集会所の久保田先生、本日はありがとうございました!